赤い宇宙船で来た

育った環境で悪影響を受けた記憶と感情の棚卸しなどをしています。吐き出しが多いです。あとは、メモ、日記、ひとりごとです。

持って生まれた種.

私に姪と甥が一人ずついます。
上の姉の子供です。因みに、下の姉と私に子供はいません。
上の姉の子供は上の子が女の子で下の子が男の子。大学生と高校生でもう大きいです。

姪は私達の母親にそっくりです。
顔のパーツの配置のバランスなのか鼻の感じなのか、とにかく似ている。姉は父方の祖母の色が強いものの、何故か母親似。
母親と娘、その娘とちゃんとルートに沿って似ています。でも、母親と姪は姉を飛び越えた感じでよく似ていて、隔世遺伝という感じ。下の姉と私よりずっと母親似。
そして似ているのは顔だけじゃありません。
赤ちゃんの頃から、いちいち発言が母親に似ていてびっくりすることが沢山ありました。祖母と孫として母親との接触はあったし、初孫&初姪なので、ちやほやされていたとは言え、言葉も少ない赤ちゃんがその祖母からその発言を学び取ったとは思えない様な、高飛車で生意気な発言をしていました。言葉だけじゃなく、人を顎で使ったり、仕草や行動までもがそっくりで衝撃を受けました。下の姉と、よく顔を見合わせたものです。
姪はコロコロしていて、豆粒みたいに小さくておしゃまで本当に可愛かった。そんなかわいい赤ちゃんに対して生意気とか高飛車という言葉を使うのは適当じゃないけれど、母親の遺伝子をしっかり持っている彼女にはぴったりでした。姪を見てると母親を見ている様に思える程だから。
姪が3歳になる頃、甥が生まれました。出産の為に姪は我が家で預かっていたのだけど、彼女の母親がいない事は姪にとってとても辛い事で、みるみる元気がなくなっていって、見ていて可哀想でした。上の姉のお見舞いに母親と姪が行った時、「もう一緒にお家に帰っていいでしょ?看護師さんに帰れる様にガツンと言ってやってよ!」と姪は母親に言ったらしいです。...。なんか...違うことを書く為にこのフレーズを書いたけど、この言葉って、二重に偉そう...。看護師さんに対しても偉そうだし、母親にも命令してるよね...。と今思いました。うーん...。
で、ようやく赤ちゃんを連れて姉が退院し、姪は喜んだのですが、赤ちゃんという"要らんモノ"がくっついて来てる。姪は容赦なく言います。「こんな子要らない!早く病院に返して来て‼︎」自分の大好きなお母さんと会えなかった上に、今までみたいに甘えられない悲しさがあったのでしょう。仕方ないことで可哀想だなと思う一方で、やはりその発言をする姿が母親と重なり、何とも言えない気持ちになりました。そしてそれから先、彼女はずっと甥に言い続けます。「あんたなんか生まれてこなかったらよかったんだよ!」「早くお腹へ帰れ!」甥が言葉がわかる様になっても、姪の怒りは収まらず、何年間もずっとずっと言い続けていました。うちに遊びに来ている時だけでもかなり聞いたので、家では日常茶飯事言っていたんだと思います。そして、姪は何かにつけ、甥を馬鹿にしながら大きくなっていきました。一人っ子じゃない限りの宿命...かな?大なり小なり、何かしらあると思うけど、姪の場合は牙剥き出しで対抗心も全開でした。
姪を見ていると、生まれ持った要素って凄く強いもんなんだなと思わずにはいられません。育った環境で影響を受けて、良い様に方向付けられたり、目立たない少し小さめの別の種にも水やりされて、良い芽が出たり、そんな感じで人は形成されていく様に思います。扱いが難しい強烈な種を持っていたら、扱いははなかなか難しいことなのかも知れません。
母親の昔話は吐き気がする程聞かされました。どうでもいい自慢話や、人の手柄を自分の物と勘違いした自慢話、人の悪口や愚痴。聞いていて楽しくもなく、終わるのをただ待っているだけでした。でも、その中には母親は悲しい思いをしていたんだなと感じさせるエピソードもあります。
母親も昔は小さな女の子で、生きる為に必死だったんだろうなと思います。色々あって大人になって、大人になっても色々あって、結婚しても色々あって二進も三進も行かなくなり不気味な生き物になった。それが私の母親なんだと思います。
強烈な種を持って生まれてきた上に、その種が良くない方へどんどん育つ環境だったのかもしれないとも思います。
だからと言って、可哀想だったんだから許そうなんて事はもう思いません。そういうのは、大してダメージを受けてない人や心に余裕がある人がすること。それに母親の問題であって、私にはまったく責任がないし関係ない事だから。子供がどうにかできる問題じゃないから。親から離れて感情が少しずつ整理されつつある今、私の世界をめちゃくちゃに荒らした母親の世界、姉達の世界を冷静にしっかり切り分ける事で、私の世界は平穏なものになるのではと思っています。

こんな事を書きながら、出てくる芽は次々と刈り取られてしまったけれど、私の種はどんなのだったんだろう。そんな事が気になったりもしています。